Seedance に参照素材を拒否されたとき、上流のエラーはたいてい「どのルールに引っかかったか」は書いてくれます。ただ、どう直せばいいかは書いてありませんし、どのファイルが原因かすら示さないものもあります。この記事では、XinYu AI の実際のジョブで見た Seedance 2.0 / 2.5 の上流エラー原文を素材の種類ごとに整理しました。参照画像が小さすぎる、参照音声の形式、音声だけの参照、参照動画の解像度不足、プロンプトが編集・延長と判定される、先頭・末尾フレームとの併用、などです。それぞれ BytePlus の公式ドキュメントと照らし合わせ、原因と直し方を書きました。最後に、Seedance 2.5 のオムニ参照でいくつまで素材を付けられるかと、公式の形式・サイズ要件をまとめています。
参照画像のアスペクト比(0.40〜2.50)については別の記事があります:Seedance が参照画像を拒否する理由:0.40〜2.50 のアスペクト比制限。ここでは繰り返しません。
早見表
| 素材 | 上流エラー(抜粋) | 見たバージョン | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|---|---|
| 参照画像 | expected the width to be at least 300px(または height) | 2.5、2.0 Mini | 幅か高さが300px未満 | 幅・高さとも300px以上 |
| 参照画像 | image pixel count … must be greater than or equal to 90000 | 2.5 | 総ピクセル数が90,000未満 | 同上 |
| 参照画像 | expected the aspect ratio to be between 0.40 and 2.50 | 上の記事を参照 | アスペクト比が範囲外 | 上の記事を参照 |
| 参照音声 | audio format … is not valid … (detected format); received: "aac,mov,mp4,m4a,3gp,3g2,mj2" | 2.5 | ファイルが m4a(AAC) | 公式の対応形式は wav と mp3 |
| 参照音声 | reference_audio cannot be the only reference input | 2.0 Fast、2.0 Mini | 参照が音声だけ | 参照画像か参照動画も付ける |
| 参照音声 | audio total duration (seconds) … must be less than or equal to 15.2 | 2.0 | 参照音声の合計が約15秒超 | 合計を15秒以内に |
| 参照動画 | video pixel count … must be greater than or equal to 407696 | 2.0 | 参照動画の解像度が低すぎる | 1フレーム407,696ピクセル以上 |
| 参照動画 | InvalidParameter: Bad Request(原因の記載なし) | カットした参照動画の記事を参照 | 既知の原因の一つ:カットしたが書き出し直していない | その記事を参照 |
| 参照動画+プロンプト | Seedance identified your task as video editing based on your prompt | 2.5 | プロンプトが編集・延長と判定された | 編集・延長の言い回しを外すか、編集/延長のタスクに切り替える |
| 先頭・末尾フレーム+参照素材 | first/last frame content cannot be mixed with reference media content | 2.0 Mini | 2種類のタスクを1リクエストに混在 | どちらか一方にする |
「見たバージョン」は、私たちがそのエラーを見たバージョンというだけです。ほかのバージョンにその制限がないという意味ではありません。
参照画像はどこまで小さいと拒否される?
エラー原文を2つ挙げます(リクエストIDは削除。以下同じ)。
Error while downloading image, error: expected the width to be at least 300px, but received a 113x134px image instead
The parameter `content[1]` specified in the request is not valid: the parameter image pixel count specified in the request must be greater than or equal to 90000 for model dreamina-seedance-2-5 in r2v, but received a 174x254px image (44196 pixels) instead.
拒否された参照画像のサイズとして見たのは、113×134、166×433、174×149、174×254、196×453、622×215 です。113×134 は 2.0 Mini、ほかはすべて 2.5 でした。
BytePlus の Seedance 2.5 公式ドキュメントでは、参照画像の幅・高さはそれぞれ300〜6000pxとされています。
2つのエラーは同じルールではありません。
- 幅も高さも300px以上なら、必ず90,000ピクセル以上になります。逆は成り立ちません。622×215 は133,730ピクセルありますが、高さが300px未満で拒否されました。
- 同じく幅が300px未満でも、174×149 は幅のエラー、174×254 はピクセル数のエラーでした。別々のチェックで、先に引っかかったほうが返ってくるのだろうと見ています(私たちの推測です)。
どちらにしても、「幅も高さも300px以上」にしておけば両方を満たせます。サムネイル、アイコン、チャットのスクリーンショットから切り抜いた小さな画像がよく引っかかります。
このエラーは送信した瞬間には返ってきません。タスクが作られ、しばらく動いてから失敗するので、待ち時間が無駄になります。
Seedance の参照音声はどの形式に対応している?
公式ドキュメントで Seedance 2.5 の参照音声の形式として挙がっているのは wav と mp3 の2つだけです。1ファイル15MB以下です。
2.5 で m4a ファイルが1つ拒否されたのを見ています。同じファイルで1回再試行しても結果は同じでした。
The parameter `content[2]` specified in the request is not valid: the parameter audio format specified in the request is not valid for model dreamina-seedance-2-5 in r2v (detected format); received: "aac,mov,mp4,m4a,3gp,3g2,mj2".
ここから読み取れるのは2点です。
- エラーには
detected formatとあります。後半のmov,mp4,m4a,3gp,3g2,mj2は、この種のファイルに対して ffprobe が出す形式名と一字一句同じです。先頭のaacはおそらく音声コーデックです(私たちの推測で、上流は説明していません)。そこから、上流はファイルの中身で形式を判定していると推測しています。.m4a を .mp3 に名前だけ変えても意味がありません(名前を変えたファイルでも ffprobe は同じ文字列を出します)。 - このファイルは AAC 音声を MP4 コンテナに入れたもので、いわゆる .m4a です。iPhone の録音はこの形式になります。
flac や ogg などは公式の一覧になく、上流でのサンプルもありません。
確認用のコマンド:
ffprobe -v error -show_entries format=format_name -of default=nw=1 音声ファイル
format_name=mp3 か format_name=wav なら公式の一覧にある形式、format_name=mov,mp4,m4a,3gp,3g2,mj2 なら拒否された種類です。
参照音声だけではなぜダメ?
The parameter `content` specified in the request is not valid: reference_audio cannot be the only reference input.
参照音声は単独では参照にできません。参照画像か参照動画と一緒に付けてください。このエラーは 2.0 Fast と 2.0 Mini で見ました。参照音声付きで成功したジョブは、見た限りすべて画像か動画も付いていて、音声だけで成功した例は見ていません。
Seedance 2.0 の参照音声は合計何秒まで?
The parameter `content` specified in the request is not valid: the parameter audio total duration (seconds) specified in the request must be less than or equal to 15.2 for model dreamina-seedance-2-0 in r2v.
Seedance 2.0 の参照音声の合計の上限は、エラーの記載では15.2秒です。15秒に、ファイルの長さのミリ秒の端数を吸収する余裕を少し足したものだと推測しています。15.2秒ぎりぎりを狙うのはおすすめしません。BytePlus の 2.5 の紹介にも、参照音声・動画の合計の長さが15秒から30秒に増えたと書かれています。XinYu AI では、2.0 系の参照音声・参照動画とも合計15秒を基準に表示しています。
2.5 の上限は最後の「いくつまで付けられる?」を見てください。
参照動画の解像度が低いとどうなる?
The parameter `content[2]` specified in the request is not valid: the parameter video pixel count specified in the request must be greater than or equal to 407696 for model dreamina-seedance-2-0 in r2v.
このエラーは 2.0 で見ました。拒否されたのは 348×632 の縦長動画(219,936ピクセル)です。
2.5 の公式ドキュメントにも同じ数字があります。参照動画の1フレームの総ピクセル数は 614×664 = 407,696 から 3326×2494 = 8,295,044 まで、幅・高さはそれぞれ300〜6000pxです。2.5 ではこのエラーをまだ見ていないので、公式ドキュメントに従ってください。
この数字で計算すると:
| サイズ | 1フレームのピクセル数 | 407,696 との比較 |
|---|---|---|
| 640×360 | 230,400 | 足りない |
| 848×480 | 407,040 | わずかに足りない |
| 854×480 | 409,920 | 足りる |
| 720×1280 | 921,600 | 足りる |
480p はちょうど境目で、幅が数ピクセル違うだけで結果が変わります。手元の素材が低解像度なら、720p で書き出してから付けるほうが確実です。表の「足りる/足りない」は計算によるもので、854×480 は個別に試していません。
このエラーは送信時にすぐ返ってきます。content[2] はリクエストの content 配列の位置で、0から数えます(私たちのリクエストでは0番目がプロンプトのテキストです)。API を直接呼んでいるなら、自分の配列の順番でどのファイルかを特定できます。
参照動画の合計 30.08 秒は通る?
Seedance 2.5 の公式の仕様:参照動画は最大10本、合計30秒以内。1本あたり2〜30秒、動画編集では4〜30秒です。
2026-09-28 に、コンテナの長さが30.08秒の参照動画を試しました。2.5、オムニ参照、480p、出力4秒で、ジョブは成功しました。この動画の音声トラックは30.08秒、映像トラックはそれより少し短いものでした。
ここから言えるのは2点だけです。
- このサンプルでは、コンテナの長さは長いほうのトラック(音声)と同じでした。プレーヤーや ffprobe が表示するのはふつうコンテナの長さなので、映像がちょうど30秒の動画でも 30.0x 秒と表示されることがあります。
- 30.08秒は受け付けられましたが、サンプルは1件(n=1)です。**上限が30.08秒だという意味でも、それより長くても通るという意味でもありません。**本当の許容幅がどこにあるかは測っていません。
XinYu AI では、2.5 の参照動画の合計が30.1秒を超えると送信前に止め、料金はかかりません。
プロンプトに「延長」「編集」と書くとなぜ拒否される?
参照動画を付けたうえでプロンプトが編集や延長を求めているように読めると、Seedance 2.5 はそのタスクを動画編集または動画延長として扱います。これらのタスクでは比率(編集の場合は長さも)を自分で指定できません。
The parameters `ratio` and `duration` specified in the request are not valid. Seedance identified your task as video editing based on your prompt. For this task type, the output ratio and duration follow the input video selected by the model for editing, and the video selected must satisfy the duration requirement of 4 to 30 seconds. Issues: [0] `ratio` must be `adaptive`. [1] `duration` must be -1.
延長の場合はこちらです。
The parameter `ratio` specified in the request is not valid. Seedance identified your task as video extension based on your prompt. For this task type, the output ratio follows the input video selected by the model for extension. Issues: [0] `ratio` must be `adaptive`.
2.5 で、編集っぽいプロンプトと延長っぽいプロンプトがどちらもこの形で失敗したのを見ています。
公式ドキュメントによると、Seedance 2.5 は入力素材とプロンプトの意図からタスクの種類を判定します。参照動画があってプロンプトに編集の意図があれば動画編集、延長の意図があれば動画延長です。編集のキーワードとして「edit the video、add、delete/remove、modify/replace/change」、延長のキーワードとして「extend forward/backward、continue、continue the story」が挙げられています。
この判定条件から考えると、次のようになります(私たちの推測を含みます)。
- 参照動画を参考にして新しいカットを作りたいだけなら、これらの言葉をプロンプトに入れないでください。「鳥を何羽か加えて」のような書き方も「add」に当たります。欲しい映像そのものを書きます。
- 本当に編集・延長したいなら、XinYu AI のパネルで「動画編集」「前に延長」「後ろに延長」のいずれかを選びます。API を直接呼ぶなら
ratioをadaptiveに、編集ではdurationを-1にします。公式にはomni_reference_task_typeというパラメータもあり、editかextendを指定すると送信時に制約がチェックされます。ただし公式ドキュメントには、モデルはそれでもプロンプトから判定し直し、指定と違う種類だと判断すればタスクは失敗する、とも書かれています。通りやすい編集プロンプトの書き方はSeedance 2.5 動画編集のプロンプトの書き方にまとめています。
公式ではこの種の非同期エラー(パラメータとタスクの種類が合わない)のエラーコードを InvalidParameter.TaskTypeConstraint としていて、私たちが見たエラーにもこのコードがありました。
先頭・末尾フレームと参照素材は一緒に使える?
The parameter `content` specified in the request is not valid: first/last frame content cannot be mixed with reference media content.
使えません。このエラーは 2.0 Mini で見ました。先頭フレーム/先頭・末尾フレームとオムニ参照は別の種類のタスクで、1つのリクエストではどちらか一方しか選べません。
XinYu AI では、参照動画か参照音声を付けるとノードが自動で「オムニ参照」に切り替わります。そのあと「開始・終了フレーム」に戻そうとすると、先にそれらを外すよう案内が出ます。
Seedance 2.5 のオムニ参照(全能参照)はいくつまで付けられる?
公式の仕様(BytePlus「Dreamina Seedance 2.5 tutorial」):
| 素材 | 数 | 長さ |
|---|---|---|
| 参照画像(オムニ参照) | 1〜30枚 | — |
| 参照動画 | 最大10本 | 1本2〜30秒(編集は4〜30秒)、合計30秒以内 |
| 参照音声 | 最大10本 | 1本2〜30秒、合計30秒以内 |
| 先頭フレーム/先頭・末尾フレーム | 1枚/2枚 | — |
2.5 の紹介では、参照画像が9枚から30枚に、参照音声・動画が3本から10本に、合計の長さが15秒から30秒に増えたと書かれています。XinYu AI の 2.5 の上限は上の表と同じです。Seedance 2.0、2.0 Fast、2.0 Mini は、XinYu AI では参照画像9枚、参照動画3本、参照音声3本で、動画と音声はそれぞれ合計15秒までです。
公式ドキュメントの形式・サイズ要件(2.5):
| 素材 | 形式 | サイズなど |
|---|---|---|
| 参照画像 | jpeg、png、webp、bmp、tiff、gif、heic、heif | 1枚30MB未満、幅・高さ300〜6000px、アスペクト比0.4〜2.5 |
| 参照動画 | mp4、mov | 1本200MB以下、1フレーム407,696〜8,295,044ピクセル、24〜60fps |
| 参照音声 | wav、mp3 | 1本15MB以下 |
リクエスト全体は64MB以下です。これらの上限を一つずつ満杯にして試したわけではありません(30枚の画像を実際に付ける、など)。上の数字は公式の仕様と私たちのプラットフォームの設定です。
拒否されたら
上流で拒否されたジョブの料金は自動で返金されます。失うのは待ち時間です。エラーがファイルを特定してくれないときは、冒頭の表でサイズ・形式・長さを確認するほうが、再試行するより早く済みます。
Seedance のほかの実測は Seedance のモデルページにあります。
どう調べたか
- エラー原文:2026年7月〜10月に XinYu AI で失敗した Seedance 2.0、2.0 Fast、2.0 Mini、2.5 のジョブから、上流が返したテキストだけを取り出し、リクエストIDを削除しました。記事中のサイズはエラー本文か素材のメタデータによるもので、素材の内容には触れていません。
- 30.08秒:2026-09-28 に条件をそろえて1回だけ試したテスト。Seedance 2.5、オムニ参照、480p、出力4秒、n=1。
- m4a:拒否されたのを見たのはファイル1つ(1回再試行し、2回とも拒否)。
- 公式の仕様:BytePlus「Dreamina Seedance 2.5 tutorial」(2026-11-01 に参照した版)。
- 推測であり上流の文言ではないもの:形式は中身で判定している/
aacは音声コーデック/300px と90,000ピクセルは別々のチェック/15.2秒には余裕分が含まれる/コンテナの長さは長いほうのトラックに合わせる/「編集・延長の言葉を避ける」は公式の判定条件からの推測。