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実測2026/09/10

Seedance の「入力動画ありは40%安い」グレード、実際には1円も安くならない

Seedance の「入力動画ありは40%安い」グレード、実際には1円も安くならない

Seedance には2種類のトークン単価があります。入力動画を含むジョブは安いほうの単価で課金され、テキストのみの単価より約40%低くなっています。料金表にもはっきり書かれていて、このモデルを再販しているどのプロバイダーでも構造は同じ。いかにも節約できそうに見えます。

条件をそろえて測りました。入力動画ありのクリップは40%安くなるどころか、約4.5%高くなります。 さらにフレーム単位まで数字を追うと、その40%はモデルが受け付けるどの長さでも実現できないことがわかりました —— 最良のケースでも、端数レベルで引き分けです。以下が測定結果と、その計算です。

テスト

変数はひとつだけ。それ以外はバイト単位で同一です:同じプロンプト文字列、4秒、480p、16:9、音声なし、同じプロバイダー、同じアカウント。

実際に請求されたトークン換算
A —— 入力動画なし38,83097フレーム = 4.04秒
B —— 2秒の入力動画あり67,652169フレーム = 7.04秒

B は 7.04 秒分で請求されました。入力2秒と出力4秒を足しても6秒です。余分な1秒は端数処理の誤差ではありません。

余分な1秒はどこから来るのか

入力に動画を含むジョブには、Seedance が最低トークン料金を適用します。その最低値は出力の長さから計算されます:

最低トークン = ceil(出力秒数 × 5 ÷ 3) × 24 × 幅 × 高さ ÷ 1024

4秒のクリップなら ceil(4 × 5 ÷ 3) = ceil(6.67) = 7秒。この下限が課金を引き継ぐため、実際には6秒しか使っていなくても7秒分を請求されます。

では、2つの仕組みを並べてみましょう:

5/3 × (42/70) = 1.000000

最低料金の式に入っている倍率と、2つの単価の割引率はぴったり打ち消し合います。近似ではなく、小数点以下6桁まで。安い単価と高い下限は、互いに相殺するように設計されているのです。

すると当然の疑問が出てきます。ぴったり打ち消し合うなら、なぜ B は4.5%高かったのか。答えは、4秒では下限が切り上がるからです。4 × 5/3 は 6.67 で、3分の2秒単位の課金はできないため、ceil によって7に押し上げられます。この切り上げが差額のすべてです。 出力 × 5/3 がちょうど整数になる長さでは切り上げる端数がなく、2つの仕組みは本当に相殺されます。これについては後で触れます。

無関係な2つのプロバイダーで、同じ数字

公開する前に、特定のプロバイダーの癖ではないことを確認しました。まったく関係のない別の API プロバイダーで、別の日に、同じパラメータで実行しています。

67,652 トークン。1桁も違わず同じでした。

互いに関係のない2つのプロバイダー、同じパラメータ、同じ数字。つまりこれはどこかのサーバーの課金実装の細部ではなく、モデル自体の計量方式です。したがって裁定の余地もありません。下限はプロバイダーが決めたものではないので、プロバイダーを乗り換えても逃れられません。

では、割引が実際に現れるのはいつか

ほぼ一度も —— ただし「一度も」という言い方は正確ではなく、その理由は上の2つの数字に隠れています。

フレーム数をもう一度見てください。4秒のクリップは97フレーム、7秒のクリップは169フレーム。96と168ではありません。課金はフレーム単位で、T秒のクリップは 24T + 1 フレーム —— どの区間にも先頭フレームが1枚余分に付いています。

この1フレームこそが、2つの仕組みがぴったり相殺しない理由です。秒で数えれば 5/3 × 42/70 は正確に1ですが、フレームで数えるとそうはならず、その残差がごくわずかに入力動画ありの側に傾きます。

モデルが受け付けるすべての出力長について、2秒の入力動画で計算するとこうなります:

出力課金される長さテキストのみとの比較
4秒7秒+4.5%
5秒9秒+7.6% ← 最悪
6秒10秒−0.28%
9秒15秒−0.18%
10秒17秒+1.8%
15秒25秒−0.11%
30秒50秒−0.06%

有効な27通りの出力長のうち、わずかに安くなるのは9通り。その9通りはすべて3秒の倍数で、まさに 出力 × 5/3 が整数になり、下限が切り上がらなくなる長さです。それ以外はすべて 1.8%〜7.6% 高くなります。

正直にまとめるとこうです:

  • 40%が40%として届くことは決してありません。どの長さでも。
  • ほとんどの長さで、入力動画を付けると2%〜7.6%多く払うことになります。
  • 出力が3秒の倍数で入力が短い場合は引き分け —— 厳密には約0.1%得しますが、それは先頭フレームの分であって割引ではありません。

自社のパネルでも照合しました。4秒の参照付きで30秒を出力すると、テキストのみと比べた倍率は 0.9969。わずか0.3%です。「40%安いグレード」の実際の価値はこれだけです。

安いグレードは、受け取れる割引ではありません。長いメーターの値段なのです。

なぜここまで確かめたのか

私たちはプラットフォームです。料金表にはあることが書かれていて、私たちはそれをそのままユーザーに伝えようとしていました。検証せずに提供元の料金表を繰り返すことは、プラットフォームが「文字どおりには正しいが、実際には成り立たない」ことを言ってしまういちばんの近道です。

料金表の単価そのものは正しい。誤っているのは、そこから誰もが導く結論のほうです。

コストでモデルを選ぶなら、料金表を比べないでください。まったく同じジョブを2本流して、返ってきたトークン数を比べてください。あなたのお金が入っているのは、その数字だけです。